家庭内暴力

家庭内暴力とは

家庭内暴力は、家庭内で起きる暴力のことで、一般的に子どもが親に対して暴力をふるうことを指します。また、同様に家庭内で起きる暴力であっても、親が子どもに暴力をふるう場合を“児童虐待”、夫が妻に暴力をふるうものを“DV”(ドメスティックバイオレンス)と呼ぶことが通例となっています。
子ども(息子、娘)が親に対して暴力をふるう行為「家庭内暴力」について解説していきます。

警視庁の家庭内暴力についての定義

少年が、同居している家族等に対して継続的に暴力を振るう事案をいい、家庭内暴力を止めようとした第三者に対して暴力を振るう事案や他人の所有物を損壊する事案については含まない少年とは20歳未満の者を指しています。つまり、家庭内暴力とは20歳未満の子どもが家族に対して行う暴力行為を意味します。ここでいう暴力には、身体的な暴力や、暴言、家具や家財の破壊なども含まれます。

家庭内暴力の原因

家庭内暴力は、複数の要素が複雑に絡み合って起きるため原因の特定はいたって困難であるといえます。 親の育て方や家庭環境が悪かったというとらえ方をされがちですが、そうとは言い切れない部分も多々あります。なぜなら、家庭内暴力の原因には社会的影響、心的外傷、精神疾患などといった、親や家庭環境にはどうしようもないさまざまな要素が複雑に関連している可能性があるからです。 親への反発が暴力を引き起こさせているケースが存在するのは事実ですが、だからといって親がそもそもの原因であるとする考え方は解決を図る上で有効ではありません。 家庭内暴力に発展してしまう3大要素を紹介します。

1. 子どもをとりまく先進国的社会的影響
  • 都市化社会における対人関係の疎遠
  • 両親の離婚、共働き、転勤などによる家族間の感情的交流の希薄化
  • インターネット、スマートフォンの普及による過剰刺激
  • 暴力シーンへのアクセスの簡易化
  • 受験競争や立身出世志向
など、社会的な影響が要因となり家庭内暴力へと結びつくこともあります。
2. いじめや虐待、事故などの経験による心的外傷
  • 学校でのいじめ
  • 同級生や先輩からのいじめ
  • 親からの虐待
  • 事故に遭った
  • 進級、進学に失敗した
というような経験を通して得た親への反抗・復讐心、恐怖心、挫折感などの感情が家庭内暴力へとつながってしまうことがあります。
3.精神疾患や発達障害の二次障害
家庭内暴力は統合失調症、強迫性障害、精神遅滞、広汎性発達障害、多動性障害などさまざまな精神疾患・精神障害が背景にあることが少なくありません。

家庭内暴力と二次障害-精神疾患や発達障害との関連

1.行為障害(素行障害)の一種である「家庭限局性行為障害」
行為障害・素行障害(Conduct Disorder)とは別名「素行症」と呼ばれる精神疾患であり、社会で決められたルールを守らず反抗的な行動を起こし続けてしまうという特徴があります。具体的な症状には人や物への暴力的な攻撃、窃盗や長期・複数回の家出などが挙げられます。国際連盟の専門機関の一つであるWHO(世界保健機関)が作る疾患の分類である『ICD-10』により決められた行為障害の中でも「家庭限局性行為障害」の症状は家庭内暴力に対応しています。家庭限局性行為障害とは家族が精神的に追い込まれ疲弊してしまうほどの激しい家庭内暴力をおこしてしまう疾患です。この暴力的な行動は家庭内だけでみられ、家庭以外の社会、学校生活や友人、恋人間では問題なくうまくやっていくことができることも特徴です。
2.ADHDの二次障害として現れる「反抗挑戦性障害」
家庭内暴力は発達障害の二次障害として発症する場合もあります。
発達障害が背景にあり、失敗経験を重ねて子どもが自信を失ったり落ち込んでしまったりした結果現れる二次的な情緒・行動の問題を二次障害といいます。二次障害は周囲への反抗や家庭内暴力、非行など問題行動が外に出るタイプと、うつや対人恐怖、引きこもりなど内面に向かう2つのタイプがあります。
二次障害の中でも、反抗挑戦性障害(ODD)は、別名「反抗挑戦症」とも呼ばれ、親や教師など目上の人に対して拒絶的・反抗的な態度をとり、口論をしかける、暴言を吐くなどの挑戦的な行動をおこしてしまう疾患です。
反抗挑戦性障害とADHDは強い関わりがあるといわれており、年齢を重ねるとともに合併する可能性が高くなると言わています。そのような場合、元々ADHDがある人が“人間不信的行動”という二次障害として反抗挑戦性障害を発症する場合が多いです。
人間不信的行動とは、自尊心・自己肯定感が低下して自分はダメな人間かも知れないと思い、そんな自分のことを誰も理解してくれないという気持ちから、周囲の人を信じれなくなったときに起こしてしまう行動のことを指します。

家庭内暴力を行う子どもの心理

思春期の子どもが家庭内暴力を振るう原因の1つとして、感情の抑制が効かなくなってしまうことが想定されます。ストレスや不安、悲しみ、憎しみなどといったネガティブな感情が湧き出てきて、それを抑えることができなくなった瞬間、感情の鬱積(うっせき)が暴力となって出て来るのです。家庭内暴力を振るう子どもの心理としては、だめな自分のやりきれなさを暴れることによって発散しようという気持ちと、こういう自分をつくった親に対する反抗という、二つの側面があります。ほとんどの場合、外でおとなしくて家族にだけ暴力をふるう子どもは、「暴力が悪いことだ」とは自分でも理解しています。なので、「本当は暴力をふるいたくない。でもやってしまう」という罪悪感に苦しんでしまうことも珍しくありません。暴力行為をどんなに繰り返してもモヤモヤした感じが残ってスッキリしないのは、罪悪感から自己嫌悪に陥ってしまうからなのです。暴力をふるうことで自らも傷つき、暴力をふるう自分が許しがたく、しかしそのような「許せない自分」を育てたのはやはり両親なのだ、という自責と他責の悪循環に苦しんでいる場合があるのです。

家庭内暴力へのリスクと解決

家庭内暴力は放置すると殺傷事件にまで発展しかねない危険な側面を持っています。しかし、適切に対応すれば、そのほとんどは改善され解決することが可能です。
家庭内暴力そのものは診断名ではありません。不登校やひきこもり、ニートなどと同様、ひとつの状態をあらわす言葉です。それが常に病的なものとは言えませんが、もちろん中には病理性の高いものも含まれています。

ここで述べる家庭内暴力は精神病、すなわち幻覚や妄想などをともなわないもので、対応によって改善や解決が可能なものを指しています。

些細なことで時には理由もなしに突然始まる家庭内暴力は、家庭の平穏な空間を壊し、家じゅうを不自然でこわばった沈黙が支配し、家族は本人のちょっとした表情、しぐさにおびえながら生活する日々を強いられます。とりわけ母親が暴力を受けやすく、まるで奴隷同然の扱いを何年も受け続けていることも多々あります。四六時中監視下にあるような、密着した生活が続き、ゆっくり眠る時間すら奪われてしまいます。真夜中に叩き起こされ、本人が唐突に思い出した昔の恨みつらみを何時間でも延々と聞かされます。それでも「母親の態度が気に入らない」といったことから、暴言と暴力がはじまります。

家庭内暴力の底にある感情は「悲しみ」です。単純な攻撃性なら、たしかに「気が済む」こともあるでしょう。しかし家庭内暴力は、そのような爽快感とは一切無縁です。暴力を振るうことでみずからも傷つき、暴力を振るう自分が許しがたく、しかしそのような「許せない自分」を育てたのはやはり両親なのだ、という自責と他責の悪循環があるだけです。

どのような対応をするにせよ、まず暴力の背景を十分に理解しておくことはどうしても必要です。客観的な事実はどうあれ、本人の中では、これまでの人生が最悪だったとの思いが強くあります。受験に失敗したこと、自分の容貌のこと、恋人や友人が出来なかったこと、望んだ会社に入れなかったことなど、本人はみずからのこれまでの人生を、あたかも失敗の連続のように捉えているはずです。また自殺の誘惑に陥らずに済んでいるのは、まさに「失敗」を他人のせいにすることによってです。

しかし本人は必ずしも「自分がこうなったのは親のせい」であると確信しきっているわけではない。ほとんどすべての家庭内暴力加害者のひとが「自分は親に迷惑をかけ続けてきた、ダメな人間である」と告白します。これもまた、彼らの本心なのです。このように彼らは自責と他責の間で引き裂かれ、心やすらぐことのない日々を過ごしています。家庭内暴力の背後にある感情は、「憎しみ」ではなく「悲しみ」なのです。

とにかく家庭内暴力から脱出させるには、原因を確かめ、状態を把握し、そして一番大切なのは理解してあげることです。お子様と向き合い一緒に行動してあげることにより改善・解決は可能になります。
そして、リスクのない解決策は何処にもないことを理解することです。どのような解決策にもリスクというのは存在します。外に連れ出してみる、外部の機関に相談してみるなど、リスクを恐れて実行を躊躇するばかりでは、現状を打開する機会を失ってしまうことになりかねません。なにより親にとって最大のリスクは、家庭内暴力が長期化してしまうことのはずです。リスクのない解決策はないのだと知ることは、勇気を持って解決策を打つための助けとなるはずです。大切なご家族を家庭内暴力の苦しみから早く脱出させたいと思っておられるならば、1日も早く行動を起こしてください。

「ひきこもり…」解決サポートでは、「診察や診断」といった医療行為は行っておりません。家庭内暴力を起こされる方々によくみられる「家庭内暴力の特性」を理解し改善・解決へ向けてのアドバイスやサポート(社会復帰・自立支援)を、ご提供しております。私たち「ひきこもり…」解決サポートが、ご家族の皆様の悩みや問題を全力でサポートし解決へと導いていきます。

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