目標と目的(ゴール)の設定
改善サポートや支援は、目標を定めますがどういう状態になれば目的(ゴール)を達成したことになるのでしょうか?
期間や状況を把握し無理のないゴールの目標設定を行います。
■3つの目標設定
目標設定:★「家族とのつながり方」
- 家族とのつながりを目標とします。
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ひきこもり、ニート、不登校が長期化していると家族以外の人達と交流するという目標でさえ困難になっています。残された目標として設定できるのは、ひきこもりつつも家族が会話して気持ちを通じ合わせる事ができ、家族の中で居心地の良い生活を営む事です。これは家族の葛藤を避けて安心してひきこもれる環境を整えましょうという、ひきこもりはじめた当初の目標と同じです。しかし実際にはそれが達成できずに、長い年月が経過してしまう場合もあります。
例えば、家族の誰とも会話をしないとか、母親とは普通に話すけれど、父親とは一切会話をしないし交流しないなどです。このような状態が何年も続くと、家族同士の交流さえ、再開する事が困難になります。この場合、居場所としての家庭が居心地の良い場所として機能することが当面の目標となります。お互いに不安や絶望、怒りなどの気持ちを伝えて、敵対したり断絶したりせずに、お互いがメッセージを伝い合える方法を探しましょう。
これらの目標を設定するのは、当事者である家族です。
支援者は、現在の状況と今後の見通しを伝えることはできますが、その中から選び取るのはあくまで当事者の判断になります。ひきこもっている本人が支援を求めている様子であれば、本人の意見や希望を尊重し選択することもありますが、多くの場合、本人は支援を拒否し、家族が支援を求めています。その場合はひきこもっている本人の気持ちよりも、家族の気持ちを優先して目標を設定します。
目標設定:★★「家族以外の人とのつながり方」
- 社会とのつながりを目標とします。
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長年、就労の経験がないと、経済的に自立することが困難になります。たとえば十代の後半から就労経験のないまま十年以上ひきこもり、三十代を迎えたような人は、これから自活できるだけの収入を得ることはきわめて困難です。社会で人との交流(コミュニケーション)経験がないため就職活動を行うこと自体が困難なので、経済的な自立という目標はおろして、社会とのつながりを目標とします。
アルバイトなどである程度の収入は得られたとしても、金銭的に自活することはできません。年金や親の財産、あるいは生活保護に頼ることになります。また、社会福祉やボランティア活動などを通して、社会の中に自分の居場所や人と交流する喜びを見出します。家族以外の人とのつながりを目標設定します。
目標設定:★★★「経済的自立」
- 経済的に自立し、両親、家族、支援者がいなくても、問題なく生活していける事を目標とします。
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家族以外の人との交流、学校に通い自立の準備をする事、働いて収入を得る事、一人暮らしができる事などです。しかし、ひきこもり、ニート、不登校の期間が長期化していて年齢が高くなるほど、ゴールの目標達成が困難になります。その場合は改善方法や支援方法を見直しゴールの目標を再設定していきます。