カサンドラ症候群
カサンドラ症候群とは、家族やパートナーなど生活の身近にいる人がアスペルガー症候群などコミュニケーションに困難を生じる、発達障害の人の家族・パートナーが多く発症する病気です。発達障害の当事者の言動を受け入れ、支援し続けようとするあまり心身の調子を崩してしまいます。発症すると心身にさまざまな症状が表れるので、カサンドラ症候群の可能性を感じたら、専門家に相談し、自分の心身を守ることを最優先にしましょう。
以下の条件に当てはまる人は、カサンドラ症候群を発症しやすいと言われています
- 真面目で几帳面、忍耐強く面倒見の良い、完璧主義の性格の人
- 発達障害のある人の恋人やパートナー、または夫婦
- 発達障害のある人の親、兄弟などの家族
- 発達障害のある人が働く職場の直属の上司、新しい同僚 など
カサンドラ症候群の原因
カサンドラ症候群は相手との関係性から生じる状態で、非常に多様な原因やきっかけがありますが、「発達障害のある家族やパートナーとの情緒的交流の乏しさからの関係性の悪化、またその事実をパートナーも周囲も理解せず、当人が苦しみを抱えたまま孤立した状態に置かれること」が、大きな原因となることは共通しています。 「当人が苦しみを抱えたまま孤立した状態に置かれること」とあるように、パートナー側や周囲が問題を認識しにくいことが、カサンドラ症候群の原因を見えづらくしているという指摘もあります。 発達障害のあるパートナーが一定以上の社会適応性を身に着けている場合、職場などの外向きの環境ではうまく行っているものの、家庭や身近な人とのプライベートな空間の中でのみ関係性の悪化が起きるケースがあります。パートナーや家族だけがそのつらさを感じている場合、外側からは見えにくいのです。 そのため、問題に直面しているカサンドラ症候群の当事者側の問題が軽く扱われたり、否定・批判されたりするなど、さらに強いストレスにさらされることもあります。
パートナーとの「思考回路の違い」が大きく関係しており、パートナーシップをうまく築けず、自信を喪失し、身体的・精神的に症状が出てしまいます。 アスペルガー症候群は目に見えない障害で、周囲に理解を求めようと相談しても、信じてもらえないことが多々あります。 また、発達障害の人とのコミュニケーションの困難さに日常的に触れる立場として、仕事のパートナーや、上司部下の間にも起こることがあります。 「パワー・ハラスメント」「モラル・ハラスメント」と称される言動によって、カサンドラ症候群のような状態が起きた事例も報告されています。
カサンドラ症候群の症状
カサンドラ症候群になると、心身に以下のような症状が現れてきます
身体症状 ・寝付けない ・眠りが浅いなどの睡眠障害 ・ホルモン値の異常 ・高血圧 ・免疫力、抵抗力が下がることによる体調不良 ・がんの発症 など
精神症状 ・気分障害 ・抑うつ状態 ・感情の喪失 ・自己肯定感の低下 ・自己の消失 など
あなたは大丈夫?セルフチェックリスト
心身ともに疲れ果て、破壊の寸前という気がする
頭の中は「絶望」「無理」「困難」「真っ暗」などの暗い言葉でいっぱいだ
周囲に相談しても理解してもらえず「子供や夫はそんなもの」と言われてしまう
相手の常識が普通であり、自分の価値観や行動こそ異常なのだと言い聞かされている
離婚などで当事者から離れたいが、経済的理由などから無理だと感じている
無気力感や不安、恐怖を強く感じており、動けない
当事者からの要求にこたえられず、震えたりパニック発作を起こしたことがある
自尊心をなくし、さらに相手に自分の気持ちが届かないことが辛く自分が消滅したようだ
報われない支援の日々に絶望する一方で、当事者を一人にすることに強い罪悪感がある
辛い思い、ひどいことがたくさんあったような気がするが、よく思い出せない
物理的に当事者と距離を置いているときでも、思い出すと怖く震えが止まらなくなる
これまでの人生を振り返ると悲しい、後悔、辛いなどの気持ちでいっぱいになる
上記に3つ以上当てはまる場合は、カサンドラ症候群の可能性があります。 原因であるアスペルガー症候群など、発達障害の当事者と物理的に距離を置くことも視野に入れ、自身を労わり治療するべきだと思います。まずは私たちにご相談ください!
相談事例
Aさん 33歳
- 結婚する前は優しい人だと思っていましたが、一緒に生活するようになると、自分の思い通りにならないとすぐにキレるようになり、私の話も聞かずに一方的に怒りをぶつけてくるようになりました。なるべく怒らせないようにと夫の顔色を見ながら暮らしていましたが、どんどんエスカレートしていき、夫が仕事から帰る時間が近づくと震えが止まらなくなったり、体調が悪くなる毎日です。逃げ出したいけど怖くて逃げられません。
Bさん 27歳
- 子供が生まれてから夫の対応に不信を感じるようになりました。共働きのため、育児も協力してくれるはずでしたが、変なところで必要以上にきつく叱ったり、大切なところはほったらかしだったりと子育ての価値観がまったく合わず、喧嘩ばかりになりました。仕事と育児の両立に加え、夫とのストレスも重なった私は睡眠障害になり、精神科に相談したところアスペルガーの話を聞きました。今後どうすればいいのでしょうか…
Dさん 41歳
- 息子(17歳)が発達障害です。中学のときから不登校になり、家族に暴力を振るうようになりました。私は障害をもって生まれてきた息子にずっと罪悪感を感じていて、息子の暴力は受け止めなければいけないと思ってきました。しかし去年の秋から体調を崩し精神科に通っています。娘(14歳)までが学校を休みがちになってきており、家族を守りたいですがもうどうすればいいのかわかりません…力をかしてください…
Cさん 36歳
- 転勤先の上司がアスペルガー症候群の特徴に当てはまっていて、理解しようと我慢をしていましたが、理不尽なことばかりが続いたうえに機嫌の悪いときには暴言がひどく…会社を休みたくても休めず、最近は食欲がなく体重が8キロも減ってしまいました。先日呼び出されていつもの暴言が始まったときに過呼吸になってしまい、パニック障害の診断をされてしまいました。このままでは外に出られなくなりそうです。助けてください。
Dさん 30歳
- 夫とどんなに話し合っても、聞いても、話が通じません…。喧嘩が続くと荒れ始め、ふさいでいると思うと衝動的だったり、夜中に1人で暴言を吐き続けたり、理解に苦しむ行動が目立ち、今度は私のほうが不眠の症状が出始めて辛いです。ネットで発達障害やカサンドラのことを知り、調べているうちにここにたどり着きました。夫にはまだ何も話せていません。話しても通じるとは思えません…何からどうすればいいのでしょうか…
- ✓夫と心が通じない
- ✓空気が読めない相手にもう限界
- ✓「わかってもらえない」ということが苦しい
- ✓何が正しいのかわからなくなった
- ✓相談しても理解してもらえない
- ✓自分さえ我慢すれば…と生きてきた
- ✓苦しみから抜け出したい
同じような問題でお悩みの方へ
カサンドラ症候群は、パートナー、そして社会との関係性の中で起きるものであるということを改めて理解し、パートナーとの間での相互理解を得るための話し合いや手段を模索することが大切です。 ただ、心身ともにつらい状況になっているカサンドラ症候群のある人と、発達障害のあるパートナーとの2人きりの閉鎖空間では、突破口を見つけることは困難です。 一人で抱え込まず、まずは私たちにご相談ください。ジーサポートが一緒に克服へのサポートをさせて頂きます!