精神障害(心の病)

精神障害とは

  • 精神に異常のみられる状態。
  • 平均的な状態よりも偏った病的な精神状態の総称。
  • 精神疾患およびその後遺症によって日常生活に支障をきたしている状態。
  • 脳の器質的変化や機能的障害によって、さまざまな精神・身体症状や行動の変化が現れる状態。

様々な原因により先天性・内因性・心因性・外因性に分けられる。
精神病・神経症・統合失調症・妄想性障害・気分障害などの精神疾患や、精神に作用する物質による急性中毒や依存症、精神遅滞、人格・行動・心理的発達・情緒などの障害が含まれる。 世界保健機関(WHO)の国際疾病分類では,精神神経症,人格異常およびその他の非精神病性精神障害,精神発達遅滞を含める。 医学・福祉・法律など用語が使用される分野によって意味・内容が異なります。

気分障害(うつ病)とは

気分障害とは気分の上がり下がりが主な症状となる疾患です。
その中にはうつ病や気分変調症や双極性障害が含まれています。
厚生労働省の患者調査によると「一生のうちに、気分障害(うつ病)になる頻度は約10人に1人と考えられている」とデータをあげているように、決して珍しい疾患ではありません。 また世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)により定められています。 気分障害とは大きな概念であり、気分障害の中には様々な疾病が含まれています。

気分障害の主な分類

不安障害とは

不安障害とは、過剰なストレス・不安・恐怖によって体調を崩し、日常生活に支障をきたすような精神疾患の総称になります。
不安障害は、以前は「神経症」「不安神経症」などと呼ばれていたこともあります。現在では「不安症」と呼ぶこともあります。
不安障害は、非常に広い疾患を含んだ概念になるため、診断が困難になる場合が多々あります。
不安障害とは大きな概念であり、不安障害の中には様々な疾患が含まれています。

不安障害の主な分類

強迫性障害(OCD)とは

強迫性障害(OCD)とは、嫌な考えが繰り返し浮かび、それを打ち消す行為に明け暮れてしまい、生活が立ち行かなくなってしまう病気です。

強迫性障害(OCD)の主な分類

パーソナリティ障害(人格障害)とは

パーソナリテイ障害(人格障害)とは、一般の人たちと比較して、ものの考え方に著しい偏りがあり、偏った考え方や行動パターンがあるために、 社会に不適切を起こしてしまうような行動特性をもったりしている状態をいいます。また周囲の人たちと良好な人間関係がつくれず、社会生活において支障をきたす障害です。

発達障害とは

発達障害とは、生まれつきの脳の機能の発達に関する障害です。注意力が欠け、落ち着きがなく、時に衝動的な行動を取る 「注意欠如・多動性障害(ADHD)」対人スキルや社会性などに問題がある 「自閉症」や「アスペルガー症候群」などを含む「自閉症スペクトラム障害(ASD)」 ある特定の能力(読む、書く、計算など)の習慣に不都合のある「学習障害(LD)」などの総称です。

発達障害の主な分類(いろいろな発達障害)神経発達障害

統合失調症とは

統合失調症とは、およそ100人に1人の割合で発症する病気と言われています。 統合失調症の症状は人それぞれで、個人差が大きいものです。よく見られるのは、現実には存在しない人の声が聞こえる「幻聴」や、 実際には起きていない出来事を現実にあるように思い込む「妄想」などで、 これを「陽性症状」といいます。ほかにも、意欲が低下する、生き生きした感情が見られなくなる、社会から引きこもりがちになるなどの「陰性症状」や、 知能や記憶力などが低下する「認知機能障害」などがあります。しかし、これらすべての症状が現れるとは限りません。

解離性障害の主な分類

解離性障害とは

解離性障害とは、通常まとまっている自分自身であるという感覚(思考・記憶・感情・行動)がバラバラになってしまっている状態をさします。 例えば、記憶があいまいになるまたは思い出せない、自分の体じゃないような感じがする、楽しいことをしているはずなのに楽しいと感じられないなどがあります。 解離というのは、体に備わった機能の一つで、危機に陥った時に苦痛を最小限に抑えるために発揮される能力です。この能力が過剰に働き、 日常生活に支障をきたしてしまうことで、解離性障害が生じます。 また解離性障害は診断がとてもむずかしい病気です。その理由は、症状の紛らわしさです。幻視や幻聴などの幻覚、気分の変化などの症状は、 うつ病や統合失調症、パーソナリティ障害といった別の病気と似ているものが多いためです。 また診断をむずかしくしている大きな要因に、解離の症状があるにもかかわらず、医師や周囲の人間に対しても症状を話さないことがみられます。 とにかく丁寧な問診や対応でないと解離性障害が発見されにくいのです。

解離性障害の主な分類

摂食障害とは

摂食障害とは、食べなくなる拒食症と、異常に食べてしまう過食症に大きく2つに分けられますが、拒食から過食を伴うようになるなど、症状が変化しやすいのが特徴です。 拒食症や過食症は「食べれば治る」または「食べなければ治る」という病気ではありません。それができない病気なのです。その背景には心の問題があります。生命にかかわることもあるので軽く見るのは厳禁です。 医学的には正式には、拒食症は「神経性やせ症」、過食症は「神経性過食症」と呼ばれます。どちらも精神的なものが原因で起こる病気と考えられています。

摂食障害の主な分類

反抗挑戦性障害とは

反社会的な行動を起こしてしまう障害に「反抗挑戦精神障害」があります。 かんしゃくを起こしやすく、大人に対して反抗的な態度をとったり挑発的なことばを投げたりするものです。 反抗挑戦精神障害がさらにエスカレートすると「行為障害」に至る場合があります。 ADHDのある人は、二次障害として反抗挑戦精神障害や行為障害を引き起こしやすいといわれています。

☆反抗挑戦性障害のチェックリスト

A. 少なくとも6か月持続する拒絶的、反抗的、挑戦的な行動様式で、以下のうち4つ(またはそれ以上)が存在する

  • よくかんしゃくを起こす
  • よく大人と口論をする。
  • よく大人の要求、または規則に従うことを積極的に反抗または拒否する。
  • よく故意に他人をいらだたせる。
  • よく自分の失敗、不作法を他人のせいにする。
  • よく神経過敏または他人によって容易にいらだつ。
  • よく怒り、腹を立てる。
  • 度々、意地悪で執念深い。

注:その問題行動が、その対象年齢および発達水準の人に普通認められるよりも頻繁に起こる場合にのみ、基準が満たされたとみなすこと。

B. その行動上の障害は、社会的、学業的、または職業的機能に臨床的に著しい障害を引き起こしている

C. その行動上の障害は、精神病性障害または気分障害の経過中にのみ起こるものではない。

D. 行為障害の基準を満たさず、またその者が18歳以上の場合、反社会性パーソナリティ障害の基準は満たさない。

行為障害(素行障害)とは

行為障害はADHDとの関連性が強く指摘されています。たとえば、攻撃的な態度、反社会的な行動を繰り返すことがあります。 ADHDの子どもは、半数近くが「反抗挑戦性障害」を合併すると言われており、それがエスカレートして「行為障害」へ、 さらに「反社会性パーソナリティ障害」に進展することもあると言われています。 反抗挑戦性障害とは、かんしゃくを起こしやすく、反抗的・否定的・挑発的な態度をとって大人をいらだたせたり、失敗を人のせいにするなどの言動が目立つものです。 一方、「行為障害」は周りの人や社会に対する反抗心が極めて強く、暴力や破壊行為といった反社会的な行動を日常的にしてしまう障害です。
それがさらに進み、罪悪感なしに犯罪的な行為を繰り返すようになるのが「反社会性パーソナリティ障害」です。 ADHDの多動性・衝動性優位タイプや混合タイプの人に起こりやすいと言われています。 自分が理解されない絶望感から悲しみが増し、周囲に敵意を抱いて、非行に走ってしまうのです。 行為障害は、大人や社会に対する反抗心がますます強まり、極端な例では、傷害や窃盗、放火などの非行・素行不良を日常的に繰り返すようになってしまいます。 本来持つ素因と、そうした人を取り巻く環境の影響が原因だと考えられます。周囲の支えで心の葛藤を解決し、環境を整えて対応することが必要とされます。

☆行為障害のチェックリスト

A. 他者の基本的人権または年齢相応の主要な社会的規範または規則を侵害することが反復し持続する行動様式で、 以下の基準のうち3つ(またはそれ以上)が過去12ヶ月の間に存在し、基準の少なくとも1つは過去6ヶ月の間に存在したことによって明らかになる。

・人や動物に対する攻撃性
  • しばしば他人をいじめ、脅迫し、威嚇する
  • しばしば取っ組み合いの喧嘩を始める
  • 他人に重大な身体的危害を与えるような武器を使用したことがある(例:バット、煉瓦、割れた瓶、ナイフ、銃)
  • 人に対して残酷な身体的暴力を加えたことがある
  • 動物に対して残酷な身体的暴力を加えたことがある
  • 被害者の面前での盗みをしたことがある(例:人に襲いかかる強盗、ひったくり、強奪、武器を使っての強盗)
  • 性行為を強いたことがある
・所有物の破壊
  • 重大な損害を与えるために故意に放火したことがある
  • 故意に他人の所有物を破壊したことがある(放火以外で)。
・嘘をつくことや窃盗
  • 他人の住居、建造物、または車に侵入したことがある
  • 物や好意を得たり、または義務を逃れるためしばしば嘘をつく(すなわち、他人を「だます」)
  • 被害者の面前ではなく、多少価値のある物品を盗んだことがある(例:万引き、ただし破壊や侵入のないもの:偽造)。
・重大な規則違反
  • 親の禁止にもかかわらず、しばしば夜遅く外出する行為が13歳以前から始まる。
  • 親または親代わりの人の家に住み、一晩中、家を空けたことが少なくとも2回あった(または、長期にわたって家に帰らないことが1回)。
  • しばしば学校を怠ける行為が13歳以前から始まる。

B. その行動の障害が臨床的に著しい社会的、学業的、または職業的機能の障害を引き起こしている。

C. その者が18歳以上の場合、反社会性パーソナリティ障害の基準を満たさない。

睡眠障害とは

睡眠障害とは、睡眠覚醒リズムが不規則で乱れやすい障害です。 寝つきや寝起きが悪く、睡眠効率も悪いので7~8時間寝たつもりでも実際には眠りが浅くて4~5時間しか寝ていないということもあります。 夜間は無意識のうちに体が動くので、寝相が大変悪く、子どものころか夜驚症(突然起きて泣きわめく)、夢中遊行(無意識に歩きまわる)、寝言、歯ぎしり、夜尿症などが多いのも特徴です。 心身の健全な発達に必要な成長ホルモンや脳内の重要な物質は夜間の深い眠りの間に分泌されます。 脳に機能障害があり睡眠障害が起こると、それらの物質が十分ではなくなるために心と体のバランスが崩れるのです。 発達障害がうつ病を併発しやすいのはこのためです。 また、ゲームやインターネットの依存症になると、寝るのも忘れて没頭するので睡眠覚醒リズムをさらに悪化させてしまいます。 また気分が落ち込んだりイライラしたりすると、過去の嫌なことを思い出したりして、気になることがあるとそればかりを考えてしまいます。 すると、睡眠と覚醒のリズムがさらに乱れてしまうのです。自分は怠け者だ、と感じてますます落ち込んだり、焦ったり、悲観的になったりする人もいるでしょう。発達障害にうつ病や不安障害が合併すると、睡眠障害が起こります。

睡眠障害の影響
  • 昼間の居眠りが多い
  • 前日の睡眠時間によって気分の波が大きい
  • とにかくキレやすい
  • 学業や仕事に集中できない
  • 不注意、多動性、衝動性が悪化する
睡眠障害の主な分類

愛着障害とは

自分が自分であることを周囲に肯定されず育った人たちがいます。 愛着障害と言われる人たちです。 根源的に満たされない不全感は、この世界で生きることへの不安に通じ、安定した人間関係を築ことが難しくなります。様々な精神症状をしめすことも珍しくありません。 愛着障害はこれまで治すことが難しいものでした。でも、それが変わってきました。 「愛着障害もまた発達していく」と認識することにより、いくつになってもその階段を登りなおすことができる、世界と安定した関係を結びなおせるということがわかってきました。 今からでも愛着の階段をしっかりと自分の足で踏みしめて、一歩一歩着実に登る方法を考えてみましょう。 完璧な脳を持って生まれてくる人もいなければ、完璧な家庭に生まれる人もいません。 それでも与えられた命なら精一杯輝かせたい。周囲も輝かせたい。 そのためにできることは、自分の抱える「愛着の不全感」に決着をつけ、自分らしさを発見し、磨き、苦しみの連鎖を断ち切ることです。そのためにできることは何かを考えてみましょう。

精神障害の克服

気分障害、不安障害、強迫性障害、パーソナリティ障害、発達障害などこれ以外にも様々な種類の精神障害があります。 思うように人とコミュニケーションがとれなかったり、気分の浮き沈みが激しかったりなかなか眠れなかったりと自分はなんらかしらの精神障害なのかもしれないと不安になってしまっている人も多いのではないでしょうか? 精神障害は様々な種類や分類があり自分の知識や意思だけでは症状を理解することも治すこともなかなか難しいのです。できるだけ早めに家族や専門家に相談しましょう。 精神障害を克服するには、本人の努力だけではどうにもならないことが多々あります。専門家によるサポートが必要なのはもちろんですが、家族や周囲のサポートもとても重要になってきます。 本人が克服しようと努力している場合は、家族も周囲の方々もできる限りサポートして、克服できるように精一杯の支援をしてあげましょう。 「ひきこもり…」解決サポートでは、精神障害か否かの「診察や診断」といった医療行為は行っておりません。 精神障害の方々によくみられる「精神障害の特性」を理解し改善・解決へ向けてのアドバイスやサポート(社会復帰・自立支援)を、ご提供しております。 私たち「ひきこもり…」解決サポートが、ご家族の皆様の悩みや問題を全力でサポートし解決へと導いていきます。

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