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中高年のひきこもり61.3万人! 「働けない子ども」が親亡き後を生き抜く「サバイバルプラン」とは【後編】
働けないお子さんが、親亡き後を生きるためのプランとして提案している「サバイバルプラン」の後編です。
今回は主に、家の相続問題と兄弟姉妹との関係について触れていきます。
お子さんが住み続けられる「家の確保」が大きな課題
サバイバルプランでは、働けないお子さんが「親亡き後」も金銭的に困窮せず暮らしていけるかを模索するため、資産状況の確認をしたうえで生活設計の提案(その多くは改善提案)をおこなっています。
親亡き後も生活を成り立たせるためには、「住む家の確保」が実現できるかも重要なポイントです。
実際には、働いていないお子さんが実家を親から相続できたとしても、固定資産税や修繕などの費用がかかります。
しかし、家賃を払い続けるケースに比べて親亡き後の生活費を抑えやすくなるからです。
ご相談者を見ていますと、働いていないお子さんが住んでいる家(実家)をそのまま相続することが多くなっています。
ただし、相続時点で築年数が30年以上経過している家も多く、中には築50年以上が経過している家を相続する人もいます。
家はもらえるものの、「その家にお子さんは住み続けられるのか」に疑問が残るケースが少なくないのです。
ご相談にいらっしゃる親御さんのほとんどが「今の家にそのまま住ませるつもり」と考えていますが、「子どもが死ぬまで住み続けるのは、不可能な物件」も少なくありません。
そのようなケースでは、親御さんが健在のうちに、
・家の大規模修繕に着手してもらう
もしくは、
・家の住み替えを検討してもらう
ように促しています。
■大規模修繕か住み替えか
大規模修繕や住み替えの提案をすると、多くの親御さんは顔をしかめます。
大規模修繕で貯金が減るのもいやですし、高齢期に入っている親御さんの中で、すすんで引っ越しをしたいと考える方はほとんどいないのです。
とはいえ、将来、1人残されたお子さんが修繕の依頼をできるとは考えにくいですし、大きな家が残っても、掃除やゴミ出しのできないお子さんがその家に住み続けるとゴミ屋敷になるリスクもあります。
町内会の当番もできないでしょう。
一方、マンションに住み替えれば、24時間ゴミ出しができるケースも多くなりますし、修繕などの手間を格段に減らせます。
居住地が都市圏であれば、
一戸建てを売却したお金で中古マンションを2住戸購入するプラン
も検討できます。
同じマンション内で2住戸購入して、親とお子さんが別々の住戸に暮らすプランです。