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「もしかしてわたし毒親?」知らないうちに与えていた子どもへの悪影響
  • 保護者が、子どもに健やかに成長してほしいと願うのは自然なことと言えます。しかし、子どもを想うあまり、過干渉すぎて子どもの自由を必要以上に奪ってしまっているケースがあります。

    また、自分では子どものための行動をしていると思っていても、子どもにとって不利益な結果となっている可能性もあるかもしれません。自分の行動が知らないうちに子どもに悪影響を与えてしまっていないか、時々不安になっていませんか?

    今回は「毒親」について考えてみましょう。なにか子どもを傷つけることをしていないか、すこし自分やまわりの行動を振り返るきっかけになるかもしれません。

    「毒親」の定義とは何か?

    毒親(どくおや)という言葉の定義は難しいですが、一般的には子どもの心の発育に悪影響を及ぼす行動をとったり、虐待したりする保護者のことを指します。特に児童虐待については、痛ましい事件をニュースで聞いたことがある人も多いと思います。児童虐待相談の件数は、平成11年度11,631件に対し、平成28年度が122,575件と、約11倍も増加しています。(※1)

    毒親と呼ばれるような行為には、このような児童虐待だけではなく過干渉や過保護なども含まれます。そのため児童虐待以外の事例を含めると、毒親が原因となっている問題に関する相談件数はさらに多いと考えられるでしょう。


    児童虐待相談件数の増加に伴い、近年テレビや新聞、雑誌などでも毒親や児童虐待についての話題が取り上げられるようになりました。


    毒親の特徴と毒親が子どもに与える影響

    毒親という言葉を聞いたことがあっても、具体的にどんな問題行動をしている保護者を毒親と指すのかわからない人もいるかもしれません。特に、次のような行動は子どもに愛情を持っているからこその行動であり、他人ではなかなか問題点に気づきづらいのではないかと思います。


    ・過干渉

    子どもの意思決定や交友関係、学校での出来事などに干渉し過ぎることを指します。子どもの意思を尊重せずに保護者の希望を押しつけることも過干渉の1つです。わるい友だちとかかわってほしくない、学校でいじめられていないか心配だからと学校での出来事を細かく聞き過ぎるなど、子どもの意思を尊重しないケースもあります。子どものことを想うあまり、気がつかないうちに過干渉な毒親になっている場合もあるでしょう。


    ・過保護

    必要以上に子どもにかかわりすぎている状態を指します。たとえば、子どもの安全のために、手を繋いで横断歩道を渡る、危ないところに行かないよう見守るといったことは過保護ではありません。しかし、普通では起こり得ないような小さな危険に敏感に反応し、子どもの意思を尊重せず行動を制限するような場合には、過保護と言えるでしょう。また、着替えるのが遅いからと言って、自分で着替えたい子どもの意思を尊重せず、親が着替えさせることも過保護と言えます。


    以上のような保護者の過剰な行動が、子どもの心身の障害にまでかかわってくる場合もあると言われています。詳しくみていきましょう。


    ・摂食障害

    摂食障害とは、無理矢理食べないと決めてしまったり、食べるのが止まらなくなってしまったりして、過度な肥満や痩身になるものです。体重に対して強すぎるこだわりがあり、自己評価において体重と体形が過剰に影響していることが特徴です。たくさん食べてたくさん排出させたり、たくさん食べながらも体重増加を防ぐために不適切な行動をとったりするため、健康に悪影響が及びます。発症の要因として、保護者からの過度な期待や両親の仲が悪い、保護者との接触が少ないことなどが挙げられます。(※2)


    ・うつなどの精神障害

    うつ病は10代後半から増える傾向があるため、精神的に不安定であったり体調が悪かったりする状態が続く場合には、何らかの心の病気の可能性を考えた方がいいかもしれません。うつ病の発症について詳しくは解明されていませんが、生活におけるストレスが関係していると言われています。そのため、過保護や過干渉、虐待などによるストレスが引き金になることも考えられるのです。(※3)


    また、障害ではありませんが、当事者である親子が共依存の関係に陥ってしまうことも最近問題視されています。共依存とは、保護者と子どもがその関係性に依存している状態です。この場合、保護者(依存症者)に必要とされることで、子どもは自分の存在価値を見いだすようになります。たとえば、保護者は「〇〇をしなければ家から追い出す」などと脅し、子どもが自分の思いどおりに行動するようになることで満足します。一方、子どもも、保護者に必要とされることに存在価値を見いだし、保護者の行動に疑問をもたなくなってしまうようです。(※4)


    ほかにも子どもの頃に辛い思いをした人は、脳にさまざまな変化をきたすとの報告があります。子どものための体罰や叱責と思っていても、実際には子どもの成長に悪い影響を与えている可能性があるのです。(※5)


    毒親のなかでも児童虐待をするタイプの親に育てられた場合、子どもは自尊心が育まれなくなったり、対人関係を構築する能力が身につかなくなったりする可能性があります。また、虐待が1つのコミュニケーションだと思い込み、自分の子どもにも虐待することも考えられるでしょう。(※6)過干渉・過保護の場合は、子どもが立ち向かっていくべき問題を親が解決に導いているため、子どもに問題解決能力が身につかなくなる可能性があります。


    「毒親」にならないために、今から気をつけるべきことは?

    子どものためを思ってとった行動が子どもに悪い影響を与えるなんて、保護者としては一番辛いのではないでしょうか。子どもが自分らしい生き方をできるように、保護者として今から気をつけられることはたくさんあります。いくつかのポイントをご紹介します。


    ・保護者の希望を押しつけない

    保護者の希望と子どもの希望に差が生じている場合、保護者の希望どおりの道に進むよう子どもに伝えることは「押しつけ」となる可能性があります。また、子どもに押しつけないようにしつつ、保護者の希望を通したい場合にも、注意した方がいいでしょう。たとえば、「あなたにはこれが向いているよ」「お母さんは○○が好きだな」など、押しつけないように希望を伝えているつもりでも、子どもは「○○をしてほしいんだ」と受け取り、結果として押しつけたのと同じ状況になる場合があります。このように、保護者の発言は子どもに与える影響が大きいため、なにげない発言が子どもの選択肢を奪ってしまうことがあるのです。ポイントは、自分の希望を伝える前に、「あなたはどうしたい?」と子どもの意見に耳を傾けることです。そうすることで、子どもの意見に合わせて選択肢を提示できるでしょう。


    ・1人の人間として尊重して向き合う

    「子どもの失敗は親の責任」という言葉がありますが、これを重く受け止めすぎると、「子どもをいい方向へと導くために保護者が敷いたレールの上を歩かせる」ことが正しいと思ってしまう場合があります。子どもは小さいながらも意思があるため、保護者の希望を押しつけることで息苦しくなってしまう可能性があるのです。子どもを1人の人間として尊重し、しっかり向き合うことで、子どもはのびのびと育つと考えられます。

    ・子どもは保護者のために我慢をすることがある

    子どもが成績優秀で自ら勉強をしているように見えても、実際には我慢して勉強している場合があります。勉強しないことや成績が悪いことを怒ると、子どもはしかたなく勉強するようになるケースがありますが、これはやりたくないことを我慢してやっているということが考えられます。また、保護者が子どもに対して、「成績が悪いとお母さんが恥ずかしい思いをする」などと言ってしまうと、勉強の本来の目的が見失われ、単に「保護者のため」だけの行為になってしまうことにもなりかねません。


    勉強を自ら進んでやるようにはなりますので、一見いい方向へ進んでいるように見えるかもしれません。しかし、子どもとしては「やりたくないことを我慢してやっている」という感情がどこかに残ってしまうでしょう。燃え尽き症候群のように、いつか感情が爆発してしまう可能性があります。


    保護者の声掛けで子どもの人生が変わります

    毒親の行動のなかでも過干渉は、保護者に自覚がないケースもあります。そのため、一度子どもとのかかわり方を見直してみることをおすすめします。幼少期からの子どもへの声掛けの内容やその頻度によって、子どもがどのように成長するかが変わります。どのように子どもとかかわってきたかによって、子どもの人生が変わると言っても過言ではありません。子ども自身が後悔のない人生を歩めるように導けているかどうか、保護者として常に意識していきたいですね。


    引用先:https://news.yahoo.co.jp/articles/c136e1a9578e0f91f594298acbacd73d44be3ced


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