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あなたも無理して作ってない?「笑顔うつ」の正体と対処法
  • うつ病の症状は比較的分かりやすい。好きなことに対する興味を失ったり、ちょっとしたことで態度が変わったり、何から何まで食べたくなったり、逆に何も食べたくなくなったり。


    でも、うつ病の症状は目に見えないことがある。正確に言うと、症状はあるけれど(本人にも)隠されている状態。気分の落ち込みは感じながらも仕事は休まず、家族や友達の前でいつも通りの笑顔を見せる。


    これは俗に言う“笑顔うつ”。意外かもしれないけれど、臨床心理士のハイディ・マッケンジー博士いわく、“うつ”と“笑顔”は相いれないものじゃない。ここからは、この笑顔うつの正体と対処法をアメリカ版ウィメンズヘルスから見ていこう。


    “笑顔うつ”とは

    「笑顔うつの人は、うつの症状を自分の笑顔で隠そうとします」とマッケンジー博士。「毎日時間通りに起きて、服を着替えて仕事へ行き、本当は最悪の気分であることが分からないように他の人と接します」


    マッケンジー博士によると、笑顔うつは高機能型境界性パーソナリティ障害、高機能うつ病、持続性抑うつ障害(PDD)とも呼ばれ、悲しみが慢性化した状態。


    睡眠パターンや食欲の変化だけでなく、絶望感や疲労感、パニック発作、好きなことに対する興味の喪失などが症状として現れる。笑ってごまかせるものではないし、放っておけば深刻な苦しみをもたらしかねない。


    “笑顔うつ”が広く知られていない理由

    米国精神医学会発行の『精神疾患の分類と診断の手引 改定第5版(DSM-5)』に“笑顔うつ”は載っていない。でも、専門家たちは、軽度から中等度のうつ病を指す言葉として抵抗感なく使っている。


    特に、うつ病であることを自覚していない患者に治療やアクションを促す目的で使われることが多いそう。


    「親しみが感じられる言葉、うつ病を恥としなくていい言葉、患者が助けを求めやすい言葉を使うのが大切だと思います」と話すのは、米医療機関『カイザーパーマネンテ』に所属する精神科医のカレン・スチュワート医学博士。「そういう言葉を使わないと、自分のいまの状態がうつ病のせいだということすら知らず、苦しむことになりかねません」


    マッケンジー博士も、“ブラインドを下ろして1日中ベッドにいるのがうつ病の人”という誤った通念を払拭する上で、“笑顔うつ”の概念が役立つと考えている。


    うつ病で(大うつ病性障害の場合は特に)寝たきりになる人もいるけれど、仕事や家族の世話を続け、微笑んだり、声を出して笑ったり、冗談を言ったりする人は多い。


    精神疾患の典型的な症状がないからというだけで高をくくっていると、将来の健康状態やウェルビーイングに大きな支障が出かねない。


    “笑顔うつ”の見分け方

    ひと言で説明するのは難しいけれど、注意するべきサインと症状は多数ある。マッケンジー博士によると、1日が終わる頃にはなぜかグッタリしてしまうという人は、うつ病と戦うために心が頑張りすぎているのかも。以下の5つの症状が体に出たら要注意。


    1. 朝起きて髪を整え、メイクをして仕事へ行くのが本気で辛い。会社ではハッピーな従業員を演じて、同僚に週末の予定を聞いたり、ランチの誘いに乗ったりする。でも、心の中は空っぽで、顔を出しても孤立を感じる。


    2.予算を見事に修正したり幼稚園児をまとめたりして、1日を乗り切ることはできるけれど、集中力が続かない。家に帰ると極度の疲労に襲われて、自分の身の回りのことが一切できず、夕食前にベッドに倒れ込んでしまう(またはソファーで寝てしまう)。


    3. セルフケアの習慣が完全に崩壊している。最低限のことをこなすのに精一杯で、ワークアウトはサボってばかり。不健康なものを食べ、友達からの誘いも上手く断る。


    4.自分が落ち込んでいることに対する罪悪感や情けない気持ちから逃れられない。何もする気になれないときは、怠け者の自分を責める。


    5.“受動的な自殺念慮”が顔を出す。積極的に自殺を計画するわけではないけれど、(交通事故などで)突然死ぬことを想像しても平気でいられる。


    “笑顔うつ”の対処法

    まずは、うつ病に関する羞恥心、自責の念、罪悪感を振り払う努力をしよう。米国疾病管理予防センターによると、アメリカでは年齢層を問わず国民の約7%が毎年うつ病に苦しんでいる。自分がうつ病であると公言するのも、助けを必要とするのも全然恥ずかしいことじゃない。


    そして、前述の症状がほぼ1日中、2週間以上続く場合は、かかりつけ医かメンタルヘルスの専門家にできるだけ早く相談を。正式にうつ病の診断を受け、自分が属するカテゴリー(うつ病の種類)を把握するのは、適切な治療法を見つける上で大切なこと。


    スチュワート医師いわく治療には、生活習慣の改善、セラピー、投薬という複数のオプションがある。「この3つの中から1つ選んでもいいですし、この3つを組み合わせてもいいですよ」


    生活習慣の改善では、食生活・睡眠・運動の習慣を改める。投薬には通常、プロザック、ゾロフト、パキシルといった選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が使われる。


    SSRIは、気分を高めるセロトニンを人工的に取り込む薬。スチュワート医師によると、セラピーを受けるなら認知行動療法が一番確実だとか。自分の思考や行動を管理して、自分の気分を自分でよくする方法が分かるようになるそう。


    どの治療法を選ぶとしても、大事なのは、プロと信頼の置ける友人、家族からの助けを得ること。他の病気と同様、治療には時間がかかる。でも、うつ病は治る病気と言われている。


    「ベストコンディションにない自分に対する思いやりの心を毎日少しずつ育むことが、回復に向けた重要なステップです」とマッケンジー博士。「うつ病は治療可能であることを理解して、助けを得るのに必要なステップを踏みましょう」 


    ※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。


    引用先:https://news.yahoo.co.jp/articles/3b483e5cac83ff5ed020f7e29545e451678f4978


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