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あなたが「生きづらい」と感じる理由は…医師に聞くチェックリスト

2019.07.04

極度に疲労やストレスを感じやすかったり、光や匂い、騒音などを気にしすぎてしまう“敏感すぎる人たち”。

 HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼ばれる彼らは、人口の15~20%、5人に1人の割合でいるとされています(『敏感すぎる心がスーッとラクになる本』/扶桑社)。HSPの特性を持っていることで、ビジネスシーンで“生きづらさ”を感じている社会人も少なくないとか。

 現代人が抱える生きづらさの問題とも密接に関わるHSP。社会の認知が広まることにどんな意義があるのか。HSPの臨床医として知られる長沼睦雄先生(十勝むつみのクリニック院長・精神科医)に話を聞きました。
HSPの特徴は? 20項目のチェックリスト
 HSPの特徴として、「深く処理する」(例:物の色合いが通常の人よりも濃厚に感じられる)、「過剰に刺激を受けやすい」(例:刺激の多い場所にはいられない)、「共感力が高い」(例:人に感情移入しやすい)、「ささいな刺激を察知する」(例:他の人が気にならない刺激でも気になる)といった4つの感覚処理過敏性が挙げられます。

 五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)や体性感覚(前庭、筋固有感覚)だけでなく、第六感といわれるような「超感覚」、内臓感覚、電磁気感覚などを備えていることもHSPの特性として考えられます。

 以下のチェックリストは、エレイン・N・アーロン著/冨田香里訳『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ』(講談社)に書かれたHSPの特徴を長沼先生が抜粋したものです。

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□ コミュニケーションや対人関係が苦手で、こだわりが強い
□ 素直で純粋で人を信じやすく優しい
□ 人を守りたいという気持ちが強い
□ 使命感があり向上心が強い
□ 真面目で責任感が強い
□ ネガティブな感情への共感性が強い
□ 空気を読むのが得意である
□ 正義感が強く礼儀正しい
□ いつも相手に合わせて「いい子」でいようとしてしまう
□ 色や音や匂いなど、ちょっとした刺激が気になる
□ 夢や空想がリアルで現実と混同してしまう
□ ひとりになる時間や空間があると助かる
□ 相手のペースに合わせてできない
□ 相手のことを考えすぎて嫌だと言えない
□ 集団の中で無口になってひとりになる
□ 感情、言葉、行動を表に出せず抑えてしまう
□ 監視や評価や時間制限などが苦手
□ 周囲の人の気分や感情に左右されてしまう
□ とても神経が疲れやすい
□ 一度にたくさんのことができない
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 12項目以上があてはまれば、HSPの特性をもつといえますが、それ以下でも、1つの感覚が極めて過敏である場合もあるとのことです。

HSPは“医学的な概念”ではない
 長沼先生の調べによれば、神経発達症を持つ子どものうち25~30%が、HSP特有の敏感さを備えるHSC(ハイリー・センシティブ・チャイルド)に該当するそうです。

「生まれもった遺伝的素因か、生育環境などの環境的要因か、と考えがちですが、両方のかけ算と考えるとよいでしょう。胎生期においても、胎児の生育は環境からの影響を受けて変化します。最近の研究では、遺伝子の発現には、遺伝子の翻訳にスイッチを入れるプロモーターという部分が非常に大きな役割を担っていることが解ってきました。胎児期を含めた生育環境が遺伝子発現に大きく関与しているのです」

 発達障害の場合は、医学診断を受けることで、医療費の自己負担額を軽減する「自立支援医療制度」を利用できます。

 しかし、HSPの場合は「発達障害を含む神経発達症は行動や症状で定義され、診断されますが、HSPはあくまで主観的で感覚的な問題を扱っており、医学的概念ではないので診断はできない」(長沼氏)というのが現実です。

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HSPを自覚するきっかけとは
 では、HSP当事者はどのように自分の特性に気づくのでしょうか。

「HSP当事者の多くは自律神経失調症などの身体症状に悩まされています。じっとしているだけで疲れたり、周囲の音や声にわずらわされたり、人のマイナス感情を感じとったり、極度な疲労感や倦怠感を覚えて、『なぜ、自分はこんなに疲れやすいんだろう』と悩み苦しみ、初めて自分の特性に気づきます」

 では、長沼先生はHSPの投薬治療に対してどう考えているのでしょうか。

「HSPはいろんなものに敏感であることが多く、薬にも敏感なので、副作用には注意したほうがいいです。日本の医療は“診断と薬”を用いて、悪いところがあれば取り除いて治すという発想です。

 根っこにある原因や素因に目を向け、それらを否定的に従えず、それらを受け入れ、活かしていくという考え方が必要です。『人付き合いができない』といった表面的な問題に、マイナスなレッテルを貼るのではなく、せっかく持って生まれた敏感さの特性を活かすだとか、無理させないでなぜそうなるのか探ってみようとか、そういう発想が大切です」

“クリエイティブな仕事”に活かせる可能性も
 HSPの特性が活かせるのは、主にどんな場面なのでしょうか。

「敏感すぎて生活や精神に支障をきたしてしまう反面、普通の人が感じられないものを感じられるということは、創造性や芸術性に繋がります。自分のペースで主体的に進められる環境であれば、クリエイティブな仕事に活かせる可能性があります。

 あとは同調性や共感力の強さを活かして、人を癒す仕事に自分の特性を活かせます。カウンセラーなどの心理系や、ホテルマンのようなおもてなしの仕事にも適しているかもしれません」

 HSPの感受性は、現実的な生きづらさや自己肯定感をさげる要因である反面、自然や目に見えないものに対する特別な感性でもあるのです。

引用先:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190704-00177634-bizspa-life

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