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引きこもりはなぜ起こる?京大教授らがメカニズム発見
2016.12.02
究極の治療法だって生まれる?
学校や会社などで、周囲とふれあう社会生活を拒み、自宅に隔離された状態へと陥ってしまう引きこもり。いま日本では、15歳から39歳までの男女で引きこもりの状態にある人は、実に54万人を超えているとされています。
このほど京都大学大学院医学研究科の成宮周教授が率いる研究チームは、マウスを用いて、引きこもりにつながる神経回路メカニズムを発見したと発表。研究成果をもとに、新たな抗不安薬を開発したり、社会復帰を促すべく、不安を低減するための認知行動療法の導入への期待が高まっていますよ。
同研究では、高架式十字迷路を用いて、マウスの不安行動を測定。通常であれば、マウスは、壁のある道でも、壁のない道でも、十字迷路を活発に行き来するそうです。しかしながら、ほかのマウスから隔離し、1匹だけで長期間飼育されると、壁のない広い空間へ出ていくことに不安を覚え、十字迷路のなかでも壁に囲われた道ばかりにとどまる傾向が強まることが実証されました。
ここで研究チームは、社会隔離ストレスを受けているマウスの脳内を調査。脳内神経にある細胞骨格の形成に大きな役割を果たす「mDia」たんぱく質が活性化して、神経シナプスの末端を収縮させ、情報伝達の効率が低下していることを突き止めました。逆にmDiaを欠損させると、壁のない道に出る不安感が解消される様子も判明! 神経細胞の収縮を阻害する薬物を投与しても、やはり不安行動が収まっていく様子が観察されたそうですよ。
引きこもりは長期化する傾向があり、日本の若者の引きこもり期間は、7年以上続いているケースが3割を超えています。今回の研究結果から、いったん引きこもって社会から隔絶されると、不安を増強する脳機能メカニズムが形成されてしまうことをつかめた意義は大きいとされていますね。さらに研究が進めば、うつ病や統合失調症などの精神疾患、記憶障害、アルツハイマー病などの神経変性疾患の新たな治療法解明にも役立つんだとか。いずれは脳内から不安を取り除く新手法が登場したりするのかもしれませんよね…。
引用先 記事詳細URL
http://www.gizmodo.jp/2016/12/anxiety-mouse.html
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