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引きこもり、実は多い40歳以上 深刻な“高齢化”のリスク
2016.09.12
内閣府によると、15~39歳の「引きこもり」は推計54万人超に達しているという。一方で、実は、さらに年齢が高い40歳以上の方が多いとするデータもみられる。゜引きこもりが長期化・高齢化することで深刻なリスクも高まっている。どういった支援が必要なのか。
《引きこもり》
厚生労働省は「通学や仕事をせず、他人と関わる外出をせずに6カ月以上、家にいる人」と定義している。内閣府は平成22年にも15~39歳を対象にした全国調査を行った。自治体レベルでは、秋田県藤里町が個別の訪問調査を実施。18歳以上54歳以下で引きこもりの人は約8.7%に上った。
引きこもりの実態は
内閣府の調査では推計54万人…「7年以上」「35歳以上」多く
内閣府は9月7日、15~39歳の「引きこもり」の人が全国で推計54万1000人に上るとの調査結果を公表した。引きこもりの期間は「7年以上」が34.7%と最も多く、35歳以上が10.2%と前回調査(2010年)から倍増。長期化・高年齢化の傾向が顕著になった。
しかし、「54万人」に40歳以上は含まれていない
今回の調査は「若者の生活に関する調査」。15歳~39歳の5000人と同居する成人家族を対象に行われ、40歳以上は調査対象から除外された。
自治体によっては40代が最も多いというデータも
2015年の山梨県の調査では県内で825人が引きこもり状態にあり、年代別で40代が225人と最多。30代が187人、60代以上も137人いた。2014年の島根県の調査でも1040人が引きこもり状態とされ、年代別で40代が229人と最も多く、次いで30代が219人だった。
《きっかけは「不登校」「職場になじめなかった」》
内閣府の「若者の生活に関する調査」で、引きこもりになったきっかけは「不登校」とともに「職場になじめなかった」が最も多く、就職や職場での人間関係に悩んでいる実態が浮かんだ。
《引きこもりとニートの違い》
引きこもりは「さまざまな要因によって社会的な参加の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」のこと。ニート(NEET=Not in Education, Employment or Training)とは「仕事や学校に行かない若者(厚労省の定義では15~34歳)」のこと。英国で使われ始めた言葉だが、日本では「引きこもり」と混同して使われがち。
引きこもり“高齢化”のリスク
親が認知症…訪問介護のヘルパーとの付き合いができない
引きこもりの子供が中高年に差し掛かり、その親も年齢を重ねれば、病気やケガ、介護、認知症などのリスクが高まる。引きこもりの人は他人に対し強い恐怖心を持っている人が多く、親自身が要介護状態となったとき、訪問ヘルパーらを追い返す可能性がある。
親の死後…生活保護の申請ができない?
親の死後、最後のセーフティーネットとして生活保護があるが、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは「家から出ないのに、親が亡くなったときに生活保護の申請に行けるか。ケースワーカーとうまくつき合っていけるか」と問題点を指摘する。
年金制度に不安…20年後「引きこもりの高齢者」が急増する
精神科医の斎藤環氏は、「現在の引きこもりの第一世代ボリュームゾーンは40代半ば。この人たちが20年後、65歳になったとする。おそらくは10万人単位で存在するひきこもりの高齢者を、果たして年金制度が支えることができるのか。彼らは親が年金の保険料を払っているので受給資格はあるが、年金の財源の一つである所得税を支払ったことがない」と指摘する。
事件も…30年以上引きこもりの息子、高齢の父親を殺害
三重県では2014年、30年以上引きこもり生活を送っていた59歳の息子が同居する高齢の父親(当時81)を殺害する事件も起きた。息子は大学卒業後に引きこもり始め、母親の死後は父親と2人暮らし。父親がパソコンを買ってくれないことを恨み、自宅で父親の首をこたつのコードで絞め窒息死させた。
なぜ長期化? 「最初の2年を過ぎると諦めの気持ちに」と識者
境泉洋・徳島大大学院准教授(臨床コミュニティ心理学)は、「当事者や家族の支援に携わる中で、最初の2年を過ぎると諦めの気持ちが強くなり、長期化する傾向がある。早期解決が大事だ」と指摘。
《20~59歳の孤立無業者(SNEP)は162万人》
孤立無業者(スネップ:SNEP=Solitary Non-Employed Persons)とは、20~59歳の無職・独身者のうち、家族以外との交流がない人々を指す。SNEPを提唱した東京大学社会科学研究所の玄田有史教授によると、2011年の段階で約162万人おり、そのうち35歳以上は79万人と過半数を占めるという。
引用先 イザ
http://www.iza.ne.jp/topics/events/events-10103-m.html
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