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否定せず寄りそって考える「ゲーム障害」 「できてる行動」確認して居場所探しを
  • WHO(世界保健機関)が昨年5月、「ゲーム障害」を新たな国際疾病分類として認定した。それに伴い、ゲーム障害やネット依存の患者を対象とした専門外来を設ける医療機関が少しずつだが増えつつある。  厚労省研究班の調査によると、オンラインゲームやSNS(交流サイト)に没頭する「ネット依存」が疑われる中高生が2017年度に全国に約93万人(7人に1人)いると推計されている。コロナによる外出自粛の影響で、さらに急増が懸念されている。  ゲーム障害とは、どのような状態をいうのか。今年4月から「ゲーム障害外来」(小中生対象)を本格的にスタートさせた、獨協医科大学埼玉医療センター・子どものこころ診療センターの作田亮一教授が説明する。  「WHOが示した主な診断基準は、(1)ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできない(2)日常生活でゲームを他の何よりも優先させる(3)生活に問題が生じてもゲームを続け、エスカレートさせる。この3つの症状が1年以上続くことをいいます。症状が重い場合は、1年以内でも該当します」  ゲーム障害は精神疾患に分類されるが、ゲームをしすぎるので、視力低下やドライアイ、手指の痛み、頭痛や腰痛、長時間座っていることによるエコノミー症候群、食生活の乱れによる低栄養や過食・肥満、抑うつ症状、睡眠障害などの問題も引き起こされる。  さらには、ゲームを止めさせようと注意した親への暴行や器物破損、イラ立ちによる兄弟への暴行、友人を失う、などの対人関係にも問題が生じるようになる。  しかし、ゲーム障害に対する確立した治療方法は現時点ではない。治療は、主に「疾病教育」や「認知行動療法」などが行われる。子供だけでなく親への対応も重要になるという。  「ゲーム障害は子供のわがままではなく、一種の病的状態であることを親が十分理解することが大切です。頭ごなしにゲームを否定したり、壊してしまうようなことは最悪です。親にもゲームに関心を持ってもらい、寄りそってこの病気を考えてもらう。子供には、まず体の症状を改善させることを目指して受診してもらいます」  認知行動療法は、子供に起床や就寝の時間、食事時間などの生活記録を付けてもらう。加えて、買い物や小さな手伝いなど「できてる行動」も書いてもらう。それに対して親も「ほめる」コメントを付ける。子供は、自分はダメだと思っているので、できていることを確認することが大事という。  「子供はゲームに代わる生活がないからゲームに依存するのです。学校以外でも日中活動できることを探し、自分の居場所が見つかればゲームから離れられます」  ゲームを使用する子供を否定せず、時間の使い方を提案していく治療になるわけだ。(新井貴)


    引用先:https://news.yahoo.co.jp/articles/c510e3f0e81c463daa8b71a8604f05ee72e0880e


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