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“清楚系”デリヘル女子大生が「大学中退」してホストに貢ぐ
“清楚系”デリヘル女子大生が「大学中退」してホストに貢ぐ…女性に“本命のカノジョ”と思い込ませるホストたちの「ヤバすぎる手口」
「ホス狂い」と呼ばれる女性をご存じだろうか。彼女たちの多くはデリヘルやソープ、パパ活などで稼いだお金を、お気に入りのホストに注ぎ込んでいる。「担当」と呼ばれる本命のホストに請われるまま数百万のシャンパンタワーを入れ、時には売掛まで作る姿は、痛ましい。
しかし、彼女たちがホストにダマされ、搾取される被害者に見えるとしたら、それは少し現実とは違う。むしろ彼女たちは、自分たちが営業されている=金銭が介在した関係と知りながら、ホストに課金し続けるのだ。 まだ若い女性たちが将来を投げうってまで、ホストにお金を貢ぎ続ける――。 ここからは社会問題化するこの実態を、実際に「ホス狂い」になった有香さん(22歳・仮名)のインタビューをもとに、現代のホスト業界の実態、なぜ「ホス狂い」になる女性が生まれるのかを見ていく。
“おじさん受け”するタイプの女性
「今、大学四年なんですけど、もうやめようと思って。理由ですか? 担当のためにコミットしたくて。二、三年でかなり単位を落としちゃったこともあって、もともとやめたかったんですけど、担当に『大学をやめるか、悩んでる』って話をしたら『できたら、やめてほしいな』って言われて。そりゃそうですよね。ホスト側からしたら、学校をやめて全力で稼ぐのに注力してもらったほうが助かるだろうし」 都内の大学に通う22歳の有香(仮名)の第一印象は、“はきはきとした活発な美少女”だった。色白の肌に映える艶やかな黒髪のストレートロング。水色のミニ丈ワンピースに、ストラップ靴と白いソックスを合わせたガーリーなファッション。化粧はナチュラル。華奢な体型も合わさって、どこから見ても10代にしか見えない。 “ホス狂い”と呼ばれる女性たちの取材を始める前ならば「なぜ、こんなに若くてかわいい女の子が、わざわざホストクラブに足を運ぶのか。異性との出会いも、同年代の子たちとの飲み会だっていくらでもあるだろうに……」と考えたかもしれない。けれども、これまで取材したホス狂いの多くは、有香のような、若く清楚でどこか幼い面影を残した“おじさん受け”するタイプの女性が主流だ。
売春で稼ぐ
資産家の令嬢や富裕層の妻、成功した実業家といった資金力がある女性ではなく、普通の若い女性がホストクラブで遊ぶ資金を稼ぐにあたっては、風俗で働いたりアダルトビデオに出たり、パパ活などで知り合った男性を相手とした個人売春で稼ぐのが手っ取り早い。 一方で、風俗の客やPと呼ばれるパパ活にいそしむ男性たちからすれば、お金を払って性行為をするのならば、若くて性的魅力のある女性を希望するのも当然のこと。ゆえに担当の売り上げにもっとも貢献する“エース”は、20代の、圧倒的にかわいらしい女性が多い。有香も今、デリヘルとソープ、パパ活で稼いだ金を担当に注ぎ込んで“エース”の地位にいる。 2021年6月22日。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、まん延防止等重点措置が適用されている最中、有香と待ち合わせをした新宿駅からほど近い喫茶店Sは、いつものように、ほぼ満席だった。 有香と担当編集者のH氏、そしてわたしの三人が通された店内の最左奥のボックス席の隣テーブルには、濃いめのメイクにグレーのカラーコンタクトレンズ、黒いカットソーに、ぶかっとしたブルーデニムを身に着けた20代前半の女性、その並びには白いTシャツにベージュのチノパンを合わせキャップを被ったかわいらしい顔をした男性、テーブルを挟んで向かい側には幾何学模様の色味のあるシャツに、黒縁の眼鏡をかけた若い男性の三人組が和気あいあいとした雰囲気でおしゃべりに興じている。 ホストとその客――女性の隣の男性が担当で、正面はヘルプ――かと思ったが、テーブルの上にマッキントッシュのパソコンが置いてあるし、会話の内容からして、どうやら仕事の関係のようだ。どちらにせよ、声の届く近くの席に、同年代の男女がいるとしゃべりにくいのでは、というわたしの心配は杞憂らしく、有香は気に掛ける様子もなく「初めてホストクラブに行ったのは?」というわたしの問いに声を潜めることなく答え始めた。
ホストクラブへの憧れ
「二年くらい前。当時、インターンしてた会社の先輩のことを好きだったんですが、その人に『バイトでホストを始めたから、遊びに来てよ』って誘われて。ホストクラブは行ったことはなかったけど、もともと興味があったんです。『キラキラした、かっこいい世界』ってイメージで。敷居が高くて、なかなか行く勇気が持てなかったんですが、知り合いが働いていたら行きやすいじゃないですか」 かねてより憧れていたホストクラブ。 渡りに船とばかりに、ホストクラブデビューを果たした有香だったが、そのときはまったく楽しくなかったと言う。 知人男性もすぐにホストを辞めてしまったこともあって、店を再訪することはなかった有香だったが、再びあるものを介して、ホストをしている男性と知り合うことになる。マッチングアプリのTinderだ。 「2020年の10月頃に、ホストをしている男性二人とたまたまマッチングしたんです。一人は同じ年でホストを始めたばっかりのU。ちょっと時間差でマッチングしたもう一人は、これまで勤めていたお店を辞めて、次のお店に移るまでの間だっていう年上のKという人」 かつて十年ほど前までは、路上で女性に声を掛けて店へと誘う“キャッチ”がホストたちの主力な営業方法だった。 歌舞伎町の路上で、新人や、指名客を持っていないホストたちが、道行く女性に声を掛けて呼び止めている風景をよく見かけたが、2013年9月、「新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例」が施行され、ホストクラブへの客引き行為は禁止されることとなった。
SNSを利用した客引き
それに成り代わったのが、TinderやTwitter、InstagramなどのSNSを利用した客引きだ。 わたし自身、Tinderで、プロフィールに「ホストをしています」という自己紹介文のある男性が表示されたので、試しにLIKEをしたところマッチングし、すぐにメッセージが届いたことがあるし、Instagramのハッシュタグ『#歌舞伎町ホスト』を辿ると、イケメンの自撮りやきらびやかなホスクラ店内での画像がずらりと並ぶ。 Twitterでは、ポエム調のエモい俺語りや、炎上を狙っての“痛客(酔って暴れたり、彼女だと勘違いしているかのような言動を取る、痛い客のこと)”に対する無遠慮な口舌の投稿が多くみられ、もしも、それらのいずれかに興味を抱いたならば、即座に、直接本人にリプ(リプライの略。返信)を送ったりDM(ダイレクトメール)でやりとりすることもできる。 ホス狂いの女性たちに聞いたところ、ホストクラブに通っている/通っていたことがある、という趣旨の発信をすると、見知らぬホストからDMが届いて営業を掛けられることもよくあるらしい。 有香もまた、Tinderで知り合った二人のホストから“本営”を掛けられたという。 “本営”とは、ホスト側が客の女性に、恋愛感情があるかのような態度を取る“色恋営業”の一種で、その名の通り客の女性を“本命のカノジョ”と思い込ませる営業方法だ。 いくら“本命のカノジョ”として扱われても、結局は営業上の“疑似カノジョ”なので、店にそれなりのお金を落とすことを望まれるし、イベント時や月末などには呼ばれ、高級ボトルやシャンパンなどの高額の支払いを負うことにもなる。したがって、店に多額のお金を落としてくれる“太客”や、その中でも最もお金を使う“エース”が本営の対象となることが多い。 後編『「自分が担当ホストにいちばんおカネを使いたい。負けたくない」…“ホストに貢ぐ22歳“清楚系”女子大生は誰と戦っているのか』でも引き続き、現代のホスト業界の実態、有香さんがなぜここまで「ホス狂い」になったのかを詳述していく。
引用先:“清楚系”デリヘル女子大生が「大学中退」してホストに貢ぐ…女性に“本命のカノジョ”と思い込ませるホストたちの「ヤバすぎる手口」(現代ビジネス) – Yahoo!ニュース