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「推しのアイドルに恋愛感情…」“メン地下”めぐるトラブル増でも取り締まりが難しいワケ
  • 恋愛感情を抱いているから捜査の協力を得るのが難しい」


    ある捜査幹部はこう話した。


    いま、10代から20代の若い女性の人気を集めるメンズ地下アイドル、通称”メン地下”の男2人が警視庁に逮捕された事件。未成年のファンがパパ活や援助交際をしているといった“メン地下”をめぐる相談件数は急増しているが、目当てのアイドルを応援する“推し活”という側面があり、取り締まりは一筋縄ではいかないという。


    ■魅力は「距離の近さ」だけど…

    ライブやイベントを中心に活動する“メン地下”。ファンの女性にはそれぞれ推しの男性アイドルがいて、魅力の一つは「距離の近さ」だという。


    「距離の近さ」を象徴する、“メン地下”ならではのファンサービスが、ライブの後に行われる「特典会」だ。例えば1000円支払うと推しのアイドルと1枚2ショット写真がとれて1分間話せるという。支払う金額に応じて「私物へのサイン」「推しからの手紙」、さらには「デート」といった特典があるケースも。ファンの女性は特典にお金を払ってファンを応援する“推し活”に励むのだ。


    しかし、こうした距離の近さが原因でトラブルも…


    ■メンズ地下アイドルめぐる相談件数が急増

    「皆さん『推し活』って知っていますか? 中高生が『メンズ地下アイドル』にハマり、家のお金の持ち出しやパパ活・援助交際などによりお金を稼ぎ、『推し』に貢いでしまうという相談が急増しています。過剰な『推し活』は、生活の乱れに繋がります」


    警視庁はツイッターにこう投稿するとともに、実際にあった過剰な推し活の事例を漫画で紹介している。


    警視庁によると、こうした“メン地下”をめぐる保護者からの相談件数はおととしの約15件から去年は約50件と3倍以上に急増。“メン地下”の活動そのものは合法だが、女子中学生や女子高校生がライブや特典会のためパパ活や援助交際をしているのは、犯罪の温床にもなるとして警視庁は警戒を強めていた。


    そして1月29日には、“メン地下”の20代の男2人が逮捕された。逮捕容疑はそれぞれがファンの女子高校生に対し18歳未満であることを知りながらわいせつな行為をしたとする東京都青少年健全育成条例違反の疑いだ。しかし、立件するには様々なハードルがあったという。

    ■お金を貢ぐのはホストクラブに似ているけど…

    「メン地下に直接適用できる法律がないからなかなか厳しい」


    “メン地下”をめぐるトラブルについて取材していた際、ある捜査幹部はこう話した。


    “推し”のために金を貢ぐ構図はホストクラブに似ている。ただ、ホストクラブは男性従業員が女性客を飲食や会話でもてなし接待することから風営法で規制され、未成年は入店できない。


    一方で、“メン地下”はあくまでライブハウスで歌ったり踊ったりする活動を行っているにすぎない。たしかに「特典会」などでは、一定の時間会話をして抱き合ったりするサービスもあるが、“メン地下”には自前の店があるわけでもなくこれを“接待行為”として風営法を適用するのは難しく、また深夜でなければ未成年でも自由に出入りできる。


    では、18歳未満の児童を守る「児童福祉法」は適用できないのか。第34条9項に「児童の心身に有害な影響を与える行為をさせる目的をもつて、これを自己の支配下に置く行為」をしてはならないという条文がある。しかし、捜査幹部はこう説明する。


    「男が『パパ活して体売って俺に貢いで』というようなことを直接言ったり客を紹介したりしてパパ活をさせて稼がせていた場合は、少女を“支配下に置いている”といえるため、この条文を適用できる可能性はある。ただ、ファンの女の子はメン地下に恋愛感情をもって自発的にパパ活をしているのが大半だからこれを適用するのも難しい」(捜査幹部)


    ■捜査のハードル「被害者は容疑者に恋愛感情」

    さらに“メン地下”ならではの別のハードルも。


    「一番のハードルは被害者の協力を得るのが難しいこと。被害者にあたるのはファンの女の子。つまり推しのアイドルに恋愛感情を抱いているから好きな男性に警察の手が及ぶようなことは嫌がる」(捜査幹部)


    今回の事件では、母親が「娘がメンズ地下アイドルに金を使いすぎてる」と警視庁に相談し事件が発覚。女子高校生は当初捜査に非協力的だったが、母親の説得で捜査に応じるようになり、男の逮捕にこぎつけた。


    「東京都青少年健全育成条例違反はあくまで個人の犯罪だがトラブルの相談がよせられている中で何もしないわけにはいかない。メン地下の中には純粋に頑張っている人もいるが、少女に悪い影響を及ぼしている者に対しては、やれることをやって積極的に取り締まっていく」(捜査幹部)


    引用先:https://news.yahoo.co.jp/articles/342074363edc8a453cadae1c65002702936856c6


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