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ひきこもりは甘え?怠け? 「自分をがんじがらめにしないで」 経験者らが発信〈AERA〉
2019.08.24
孤立はひきこもり当事者を追い詰め、苦悩を深める。当事者同士が交流し、悩みや苦しみを共有する場や居場所づくりが広がりだしている。当事者やかつてひきこもっていた人たちも、発信を始めた。木村ナオヒロさん(35)は、大学受験の失敗をきっかけに、32歳まで10年近くひきこもった。当時は自分が「ひきこもり」とは思っていなかったが、専門家と出会って自覚し、「このままではまずいと気づいた」。
ひきこもり状態を脱して感じたのが、ひきこもりに対する社会の偏見だ。「怠け者」「甘えている」。ひきこもりへの支援といえば就労が中心で、ひきこもり当事者が抱えている問題の解決にはつながらないと感じた。
「当事者の声を伝えなければ」と、2016年11月に「ひきこもり新聞」を創刊。年齢も性別も、ひきこもりになったきっかけも違うさまざまな人の声を紹介する。母親に支配されてきた娘、履歴書の空白から働きたくても働けない中年男性、セクシュアリティーに悩む人もいる。新聞は人手が足りずに不定期発行だが、木村さんは力を込める。
「ひきこもりへの偏見をなくし、当事者が必要としていることを訴えたい」
ひきこもり当事者・経験者でつくるメディア「HIKIPOS(ひきポス)」の編集長、石崎森人(もりと)さんはこう言う。
「自分をがんじがらめにする必要も型にはめる必要もない。でも、かつては私もそうでした」
子どもの頃から生きづらさを感じ、大学を卒業すると就労に疲れて24歳から約2年半、ひきこもった。昼夜逆転の生活を送り、大量の薬を飲んで病院に運ばれることもあった。当時思い描く未来は、「よくて生活保護」。絶望し、このまま自殺するだろうと思った時、死んだら親を悲しませると思い「生きよう」と決めた。
18年2月に創刊した「ひきポス」は年4回の発行で結婚・恋愛、幸福など、ひきこもりが抱える問題に正面から取り組んでいる。7月に出た最新6号のテーマは「ひきこもりと父」。あまり語られることのなかった、「ひきこもり」と「父親」との関係に切り込んだ。
いま石崎さんは、家族と会社を経営し、ひきこもり当事者が集まる「ひきこもりUX会議」の理事として活動している。同会議では、当事者の交流イベントも頻繁に行っている。10年前の自分がまったく想像していなかった未来が起きていると感じる。そんな自らの体験から、ひきこもっている人たちにこう伝えたいと話した。
「人生はわからない。将来に、絶望することはない」
引用先:https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190821-00000080-sasahi-soci
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