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子どもに”癒しと成長”ホースセラピー 不登校の児童などが通う牧場 馬と触れ合って身につく「生きる力」
  • 特集は馬と触れ合う子どもたちです。長野県泰阜村にある牧場が、不登校や発達障害の子どもたちを受け入れ「ホースセラピー」を行っています。馬に癒され、心身に良い影響が出ていると保護者も実感しています。


    馬の世話や乗馬をする子どもたち。明るく穏やかな表情をしています。皆、さまざまな事情で不登校となった子どもたちです。


    ここは泰阜村の「やすおか命の牧場てんま」。馬との触れ合いによって心身を癒やす「ホースセラピー」に取り組む施設で、村や診療所の協力で2018年に設立されました。


    セラピーを学んだ元地域おこし協力隊員のスタッフなどが常駐し、2020年夏から不登校や発達障害の子どもたちを受け入れる「児童デイサービス」の事業もしています。


    伊原詩乃さん(9):

    「これね、外に出してお掃除して、ブラッシングして」


    現在、登録している子どもたちは、未就学児から中学生までの10人ほど。そのうち5、6人は、ほぼ毎日通って馬の世話をしています。伊原詩乃さんもその一人です。


    伊原詩乃さん(9):

    「(Q.この馬の名前は?)はづき。(Q.女の子?)うん。(Q.どんな性格?)食いしん坊」


    母親と離れることがストレスや不安となり、小学2年の途中から不登校になりました。牧場に通うようになって約1年。馬の世話もすっかりお手の物です。


    伊原詩乃さん(9):

    「引き手を持つときは(手に)巻いちゃだめなの。巻くと引っ張られたとき離せないから、こんな感じで束ねて持つの」


    この日は、牧場についてきた妹の面倒も見ていました。


    伊原詩乃さん(9):

    「たまき、水重くないー?」


    大好きな乗馬の時間。


    スタッフ:

    「一番最初の時より回せるようになってるよ」


    得意げな表情です。


    伊原詩乃さん(9):

    「楽しかった。走ったりして涼しかったし、ふさふさで気持ちいい。耳、普通はこうだけど、こうなっていると怒ってたり、耳の角度でなんか気持ちいいなとか、怒っているなってわかることがある」


    牧場に来て詩乃さんは大きく成長しました。


    母・都さん:

    「自信をもってできることが増えて、日に日にのびのびと生き生きとした姿を見られるようになって、親としては本当にうれしく思っています。誰かのためにっていう気持ちで行動に移す姿があるので、自分も大事にするけど周りも大事にできる大人になってくれるかな、というのを感じています」


    牧場で飼育している馬はポニーや道産子など6頭。馬は本来、おとなしく温厚でセラピーに向いていると言います。


    やすおか命の牧場てんま・結城ななせさん:

    「すごく暴力衝動のあるような子どもがいたとして、棒でたたいてしまったってなったときに、次のときに親切なふるまいを相手がしてくれたら、スッと寄っていってコミュニケーションとってくれる。何度もトライさせてくれるというところで素晴らしいと思う」


    牧場に通うのは不登校の子どもだけではありません。「脳性まひ」を抱える岩田龍星さん9歳。歩行や会話は困難です。


    1年ほど前から週1、2回、牧場に通っています。龍星さんが「脳性まひ」と診断されたのは、生後9カ月のころでした。


    母・真由美さん:

    「苦しそうだったり、本人がつらそうだったりっていうのはすごくあったので、家族としては診断がついて治療が始まるってことで、ほっとしたところが大きかったと思います」


    今は特別な医療的ケアを受けておらず、養護学校に通う日々です。母・真由美さんは、少しずつ龍星さんの世界を広げたいと思っていました。


    母・真由美さん:

    「先の様子が想像できないというのはあって、そういう意味では不安だったんですけど、自分以外の人とすごく関わってほしいというか、私を通さない関りがどんどん増えてほしいので、行く場所とか過ごす場所も増えていってほしい」


    龍星さんも乗馬が好きです。乗ったのは雄の「わさび」。まずは「わさび」の上でうつぶせになって全身の緊張をほぐします。


    スタッフ:

    「力を抜いて」


    力が抜けたら、いよいよまたがります。「わさび」は少々我が強い性格ですが、おとなしく龍星さんを乗せます。


    龍星さんも満足げ。普段は全身に力が入ったり、抜けたりと、コントロールが難しい龍星さんですが…


    母・真由美さん:

    「馬の上だと体を自分で起こしながら足の力を抜く、みたいなことができてきているので、それは他ではできないリハビリだなと思っています。馬も好きだし、この牧場に動物がいたり子どもたちの声が聞こえたり、そういう空間が楽しいようで、すごく楽しみにしている様子があります」


    牧場のオープンに協力した泰阜村診療所の島田恵太医師。ホースセラピーの効果に期待を寄せています。


    泰阜村診療所・島田恵太医師:

    「居場所があるというのが大きい。人間がお世話をしないと生きていけないという動物の世話を担うってことが、大きい効果を果たしているなと。生きる力がついているなと」


    心身を癒やすだけでなく成長も促すホースセラピー。優しい馬たちが、子どもたちを待っています。


    引用先:https://www.nbs-tv.co.jp/news/articles/2021110800000004.php


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